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サービスニュース-第52巻 第3号-1

2016年03月04日

「わが国では、水は添加しませんので……」

今回のJIS改正にあたり、ドライクリーニングの試験法を検討している際に、クリーニング業の代表者から「ISOの表示ではドライクリーニングでは水を添加し、アンダーバーでは水を添加しないとありますが、わが国では普通ドライクリーニングの時に水を添加することが無いので、この件については特に問題としない…」という発言があり、多くの方が賛同され、それ以後この問題が議題として取り上げられたことは無いようです。
しかし本当にこの問題このままで良いのでしょうか?。
わが国のドライクリーニングの現場では、実際に水を添加しなくても、水を添加した状態と同様にあることは多々起こっています。
水のガス化状態、いわゆる湿度(水が可溶化状態)といわれる状態から、エマルジョン状態といわれる、ガスが一部液化(水)した状態に変わると、この水が衣服に吸着され、風合い変化・収縮が起こります。
この変化は、湿度75%を超えた状態で始まると云われ、フルトンの実験や、毛利可淳氏の伝導度実験によって確かめられています。
我が国では、梅雨どき、夏季などでは湿度75%を超えているときが多くあり、冬場でも超えている日があります。この状態は先の実験を基に考えれば水を添加したのと同じ状態です。
また、A社のソープには水が含まれていますし、同様にドライクリーニングで行う「汗とり」のソープにも水が含まれています。
このような状態があるとするならば、これは「水を添加していなくても」「添加されている状態」なのです。これを、水を添加して無いなどと解釈していたら、事故は後を絶たないことになります。
以下の写真は、ドライクリーニング後のズボン、上着の状態です。これはいずれも水の影響を受けて小皺が出たモノなのですが、水の添加されたソープを使用されている方の多くがそのことを理解されていません。
 

写真1-1
写真1-1
写真1-2
写真1-2
写真1-3
写真1-3

実際、コールドマシンで「蒸留器を持たない」、「溶剤の交換をしない」、「水除去の対策を講じていない」会社のドライクリーニング後の商品には、時に「収縮」がみられます。
本当に「わが国では水を添加しませんので…」ですまされるのでしょうか。
 今まで表示を付ける側では、ドライクリーニングの表示を付けることは、「クリーニング業者に出してください」程度の意味でした。
しかし新JISでは、ドライクリーニングの表示は「ドライクリーニング出来ます」であり、ドライクリーニング・アンダーバーは「水の添加されていない溶剤で、ドライクリーニング出来ます」となります。
従って、表示を付ける側では「水の添加されていない(水の無い)ドライクリーニングを期待されていることになります。
これを クリーニング業者が文字通り「水が添加されていない」と解釈していては、水を添加していないけれど、水のある状態でのドライクリーニングが行われることになります。そしてこれは「事故」の要因となります。
従来であれば、この一点の商品の問題ですので、交渉が上手ければメーカーも譲歩して弁償に応じた例も多々ありました。しかし、今後は「メーカーがドライクリーニングできるとした商品が、ドライクリーニング出来無い」ということになり、事情によっては車のリコールのように全品回収という事態にもなりかねません。
このように考えると表示を付けた側としてもクリーニングの内容の追求も厳しくなります。さらに、アパレル側のドライクリーニングの勉強、現状の把握等現場情報を知ろうと努力されると思われます。
もともとISOの中核をなす各国では、わが国から見れば湿度が異常に低く、水を添加しなければ静電気が防げません。これに対して、溶剤中の遊離水分を除去しなければ収縮事故が発生しかねないわが国とでは、溶剤中の湿度を保つために水を添加しなければならない立場と、溶剤中の湿度・水が一定量以上にならにようにする立場では正反対となるのです。
このような中、ドライクリーニングのアンダーバーを受け入れた以上、キチンとした対応が求められるのです。
「わが国では、水は添加しませんので…」などと 呑気なことを言っていると、事故は減りませんし、アパレルから馬鹿にされますよ!

あるある販促ツール

家庭での新聞購読者数が減少し、販促としての効果が薄れたといわれています。しかし、これを補うに充分なほど「いろいろな販促ツール」が提案されています。
しかし、新たな販促ツールを見る機会が多い「お客様」に対して、このようなツールに触れる・知る機会が少ないのが、多くのクリーニングオーナーの方々です。
今までは、新たなツール情報は資材商などを通して入手されていたのですが、資材商も活動範囲が狭くなり、かつ高齢化などによりニュースが不足になっています。
このため、世の中から遅れをとる状態が生まれつつあるのです。かく言う私も多くの情報は、若い革新的な業者の方々や、全くの異業種の方に教えていただいている状態です。
従って、新たな販促ツールを知っても、「?」というモノから「おもしろい」と感じるモノまでいろいろです。よくよく伺ってみないと、利用方法、本質的な効果が解らないことも多々あります。
以下に、ここ数年販促ツールとして提案されたモノを順不同で記してみました。また、他にもいろいろあるでしょうが、多少気になったモノを上げてみました。
『オンデマンドDM便』  ヤマトシステム開発
魅せるDM/見られるDMをキャッチフレーズに、デザインから印刷、宛 名印字、配達までをヤマトグループがトータルで提供する。
①デザインサービス、デザインでお悩みの方に、ラフ案をいただければデザ イナーが担当致します。→野暮ったいといわれるクリーニングのDMデ ザインを変えるのはもってこいではありませんか。
②少部数(1枚)でも発行できるので、いろいろなDMを試すことが出来ま す。→変えることに躊躇される方がおられますが、思い切った販促を試す 良い機会ではではないでしょうか。
③配布ターゲットを選ぶことが出来ます。→クリーニングは職業的要求、衣 服に愛着のある方々によって支えられています。従って、特定のターゲッ トに対する販促が求められます。
以上のような、従来の製作過程では出来なかったことが出来るようになるそうです。
一度、検討して見られては如何でしょうか。

写真1-4 ヤマトのオンデマンドDM(カタログより抜粋)
写真1-4 ヤマトのオンデマンドDM(カタログより抜粋)

『1店舗からでもTポイントを利用できます』

このシステムの核は、「Tポイント エリア・アライアンスは、モバイル(スマートフォン・タブレット)でポイントデータを送信することができます。したがって、POSに連動させないで初期費用を抑えて、Tポイントを利用できます」ということです。
Tポイントのセールスは、圧倒的会員数(発行枚数)と利用件数が多いことのようです。ちなみに、20代~40代以下では66~76%の方がお持ちであり、特に、女性の普及率は高いようです。
カタログによると、2015年12月の時点で、Tポイント加盟店ネットワークは131社、458,022店舗となるそうです。
さらに、自店舗の利用者状況をマッピングすると、顧客の分布が一目瞭然で、時点から見た顧客の流れ、利用者の空白地帯、優良顧客の分布?等々、エリアマーケティングに欠かせない資料が得られます。
私自身は、コンビニでTポイントを利用するだけで、実際にはSuicaの利用の方が多いのですが、日常の買い物をされる方は多くの場で利用されているようです。
一考に値する話と考えます。
 

写真1-5 Tポイントカードの資料(カタログより抜粋)
写真1-5 Tポイントカードの資料(カタログより抜粋)

『うごくDM』

ある印刷物にスマホでスキャンすると、動画が見られます。これを利用して作られたDMがあります。
最近の観光パンフレットには、スマホを使ってスキャンすると関連動画が見られるような方法をとられているものがあり、また、昨年末には「動く年賀状」としても宣伝されていました。
これを、クリーニングのDMに利用する方法があります。
最初に、見せたい動画(会社の内容、クリーニング方法、販促クーポン等々)を作り、クラウド(用意された動画置き場)に動画をアップします。
このクラウドからダウンロード(読める・見られる)出来るDM(印刷物)を送ります。詳しくは、「COCOAR」(℡:0120-919-901)に問い合わせください。
スマホでDM(印刷物)をスキャンします。スマホを用意された動画が写ります。尚、スキャンするためのアプリが用意されていない方のために、DM(印刷物)にアプリがダウンロード出来るQRコードを印刷しておきます。
※若い方はこれで良いのですが、スマホに慣れていない方は、QRコードで 手間取ってしまうのです。この種の利用には、店頭でアプリをダウンロー ドするような、一工夫が成功の決め手です。
 

写真1-6 ココアルのアプリと特徴(カタログから抜粋)
写真1-6 ココアルのアプリと特徴(カタログから抜粋)

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