クリーニングのトータルコンサルティング

サービスニュース

サービスニュース一覧

サービスニュース-第56巻 第6号-1(クリーニング業のAIを考える Ⅰ)

2020年06月01日

クリーニング業のAIを考える Ⅰ

新型コロナウイルスの問題が起こってから、クリーニング取扱ボックス、ロッカー取引、宅配等の非対面でのお取り扱いについて改めて注目されているようです。
しかし、この問題、単に非対面ということから、無人お取引まで模索されています。というのは近い将来(行き着く先に)AIの導入による、完全無人化が出来るかと云うことです。
ちょっとカウンターについて考えてみたいと思います。
カウンターをAI化するには、お客様の理解と協力が必要です。即ち、接客、コミュニケーションが機械化されてもかまわない、ある種のデータのインプットをお客様自身がされても良いと云われるのであれば、作業の一部を人がする、簡易なAIカウンターシステムが作れると思います。
これに対して、完全AI・ロボット化をするには、衣服の形状識別(人台に着せ、形状判断・衣服の区別)、作業、衣服情報(繊維、組成、取扱情報)・検品(着用状況、シミの有無、ボタンの有無等)、タグ付け(またはこれに変わる方式)、お客様の要望等を聞けるものとし、料金設定・請求・入金(カード)業務を処理しなければなりません。
知ったかぶりをすれば、衣服の形状認識・名称、検品作業(紫外線照射によるシミの有無)はディープラーニングを活用すれば、かなりの精度のものが出来るのでは無いかと思うのです。
 

写真1-1 ディープラーニングイメージ(Newtonnより転載)
写真1-1 ディープラーニングイメージ(Newtonnより転載)

※黄色の囲みは人物、赤の囲みは人工物というように判別します。
 

これが出来れば、ここまでの範囲で料金設定は出来ると思います。問題は、付加価値、シミ抜き料金等加工料金、お客様の要望を何処までお聞きするかとタグ付けです。
タグ付けは、お客様(預かり伝票)と商品を関連づける唯一の手段なのです、また、ここに人の手が入るようでは、無人化とはならないのです。従って、何らかの方法(ICタグの活用など)を考え出さなければならないのです。
ちなみに、現状のAIの専門家によると、作業のマニュアル化が出来ているものは、AIの導入(プログラミング)が考えられると云うことです。
ただし、今のクリーニングのマニュアルは作業員の判断を前提に作られている部分が多く、マニュアルの例外となり、業者の判断・作業者特異の技術等で処理されているのが現状です。
最も大きな問題は、クリーニングのような小さな規模の業界に、最先端の企業が取り組んでくれるかということです。ここでも、類似の作業形態を取るAI機器が開発されて、これの転用と云うことになると考えられ、いずれにしろ他の業界より後になることは避けられないようです。

 

人を評価する

テレビで、イタリア・クレモナの病院の屋上で、医療従事者への感謝と、患者さんたちが再び音楽が楽しめる日が来るようにとバイオリンが演奏される場面を紹介しています。特に、このバイオリニストが日本人だということが評判を呼んでいるようです。
 

写真1-2 クレモナの病院の屋上で演奏する横山玲奈さん
写真1-2 クレモナの病院の屋上で演奏する横山玲奈さん

いつも思うのですが、このような素晴らしい場面を紹介するのは当然のこととして、これを企画立案・実行された方が紹介されることはほとんどありません。何故なのでしょうか、私はいつも疑問に思うのです。
このようなニュースを聞くたびに、これを考えた人、企画を実行した人は誰なのだろうと思うのです。何故ならば、自分がこのような立場に立ったとき何が出来るのだろうかと思うからです。
また、ここに、我が国が抱えている大きな問題点があるように思えてならないのです。
日本海海戦の立役者・東郷平八郎、王シフトを引かせた読売巨人軍の王貞治選手、奇跡の人、ヘレン・ケラーと誰もが知る有名な方々です。
しかし、バルチック艦隊撃破のためにはこの人しかいないと、時の常備(連合)艦隊司令長官日高莊之丞を外し、(失礼を顧みずにいえば)定年退職までの閑職・舞鶴鎮守府司令長官をしていた東郷平八郎に、序列を変えて常備艦隊(連合)艦隊司令長官に据えた、山本権兵衛という人がいなければ、必ずしもあのような結果になったとは言えないのです。
また、我が国では「王シフト」とシフトの対象になった人の名が付けられますが、このような時アメリカでは、シフトを考えた人の名をつけるのです。ちなみに「王シフト」は、採用(考案)した広島カープの白石勝巳名を取って「勝巳シフト」とでも名付けられるべきなのです。
さらに、奇跡の人というとヘレン・ケラーと言う方が多くおられますが、重複障害者であったヘレンを見事に社会活動家として自立させた、ミラクル・ワーカーと呼ばれるの家庭教師のアニー・サリバンがいてこその結果なのです。
 

写真1-3 山本権兵衛
写真1-3 山本権兵衛
写真1-4 白石勝巳 
写真1-4 白石勝巳 
写真1-5  アン・サリバン
写真1-5 アン・サリバン

英雄を生んだ影の立役者、シフトの考案者、稀代の努力家この方達も英雄同様に評価されるべきなのです。
この方達の、置かれた立場、その時々の判断、決断、この方達が注目され、評価される世界になることが、緊急事態や災害対策に即応できるような人材を生むことが出来ると思うのです。
 『戦場では想定外の連続で、これに対処出来なければ負けるのです』、今度の新型コロナウイルス対策を戦と考えれば。
勝たなければならないのです、戦略を立てなければならないのです。敵(感染者検査)を知らなければならないのです、戦士(隔離施設、病院)を強くしなければならないのです、戦いの邪魔(外出自粛)をしてはならないのです、新たな武器(治療薬、ワクチン)がほしいのです、戦費が無ければ戦えないのです、終戦の方法(出口戦略)を探り、戦後の復興を考えなければならないのです。                          
歴史に疎いので、過去に危機管理に優れた方を上げることが出来ないのですが、私が一人上げるとすれば、三原山噴火時の全島避難統括責任者、阪神大震災時に時の村山首相にカツを入れた、後藤田正晴氏なのです。
常日頃から、想定外と言われるような事態を乗り切った人の行動を学んでおく必要があるのです。
皆様も、表舞台で評価される方々の後ろにも注意をはらっていただきたいのです。必ずやお役に立つ事例があるのです。
 

新型コロナウイルスが起きてから

この問題が騒がれ出してから、早4ヶ月が過ぎようとしています。この間、私は何をしたのだろうかと一覧にして、これまでの仕事とこれからの指針にしたく考えました。

 

写真1-6 新型コロナウイルスと私の活動
写真1-6 新型コロナウイルスと私の活動

考えて見ると、私なりに活動はしていると思うのですが、自社のための経済活動をほとんどしていないのです。これが私の最大の欠点のようです。急いで打てる手を考えないと事務所が存亡の危機となりそうです。

 

関連リンク

新型コロナウィルスと私の活動 PDF  (87KB)

ページトップに戻る